シリコン塗料について
塗装研究レポート【外壁編】 第5回のテーマは「シリコン塗料」についてです。
シリコン塗料は、耐久性・コストパフォーマンスにも優れ、一般的にも扱いやすい塗料です。
今回は「シリコン塗料」にテーマを絞り、その特性と使用用途を知っていただければと思います。
シリコン塗料の「シリコン」とは?
実は、化学的に言うとシリコン(silicon)とシリコーン(silicone)は別物です。シリコンは、元素の一種でケイ素(Si)のことです。ここで言う塗料のシリコーンは、有機基の結合しているシリコンが酸素と連なってできている高分子化合物のことです。シリコーンは化学的に物質の安定性が非常に高く、200℃という高温になってもその結合が壊れることがないので耐熱性、耐候性に優れていると言えます。反応性が低いため生体に対しても害が低く、その性能から近年では塗料にも応用されているのです。
シリコーン樹脂塗料の歴史
シリコーンが初めて合成されたのは20世紀初めと言われています。その後、1940年には耐熱絶縁体として軍需産業での利用が拡大しました。当初「シリコーン」はGE社の製造するケイ素樹脂の商品名でしたが、現在では一般名として使用されています。
1945年にシリコーンポリマーのマーケティングに関する論文が発表された事によりシリコーン樹脂塗料の研究がアメリカで加速。特に耐候性が優れていたことから建材用プレコート鋼板への適用が進められました。
日本では、東京芝浦電機が1941年にシリコーン樹脂の研究に着手し、1951年から自社製品に使用しています。そして、1953年にはシリコーン樹脂耐熱塗料が登場となります。
現在ではシリコーン変性アルキド樹脂、シリコーン変性ポリエステル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などが塗料化され、フッ素樹脂塗料に次ぐ高級塗料として建築外装、橋梁、屋外タンクなどに広く使用されています。
シリコン塗料のメリットとデメリット
【メリット】
品質に対してのコストパフォーマンスの良さが最大のメリットです。耐水性、防汚性、耐候性を有し、アクリル系やウレタン系の塗料より耐久性において約1.5倍優れています。光沢が長持ちし、色褪せしにくいのが魅力です。
【デメリット】
機能性と耐久性の観点からでは、無機塗料やフッ素塗料には劣ります。また、木部や鉄部には向かない塗料なので塗布する素材と状態をしっかり見極める必要があります。
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