断熱・遮熱塗料について
塗装研究レポート【その他】 第3回のテーマは、「断熱・遮熱塗料」についてです。
リフォーム業界には多くの塗料が存在しています。
今回は、その役割を混同してしまいやすい「断熱塗料」と「遮熱塗料」について、それぞれの違いを研究しました。
断熱・遮熱の言葉の定義
断熱塗料
断熱塗料とは、壁内部を伝わっていく熱の量を抑える塗料です。太陽熱による熱伝導を抑えるということは、冬には熱が逃げるのを防ぎ、夏は熱の侵入を防ぐ効果があります。その結果、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるようになります。
また、断熱塗料は塗膜わずか0.5mmほどで断熱材に匹敵する効果を持つ塗料もあることを考えると、大掛かりな断熱改修工事よりも経済的です。
他には、防露効果・防音効果があります。主成分として中空ビーズ(セラミックバルーン)が配合されていて、塗膜に空気層ができるため音を抑える効果や熱を通しにくい効果も期待できます。
遮熱塗料
遮熱塗料の特徴は「熱を反射する」点にあり、太陽からの熱を吸収しないように反射する効果を持ちます。これにより、室内には太陽の熱が伝わりにくくなるため、断熱塗料同様、夏に熱の侵入を防ぎ、快適な環境を維持することができます。
某有名メーカーの遮熱塗料で効果が高いと言われている商品では、熱反射率が90%を超えるものがあるようです。また、屋根専用の遮熱塗料が多いので、外壁より屋根に施工する方が効果的と言えます。
性能を示すための指標として使われる「熱伝導率」と「日射反射率」
熱伝導率
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表す数値のことで「W/m・K」と表記されます。
この熱伝導率の値が大きいと熱が伝わりやすく、小さいと熱が伝わりにくい(熱伝導に多くの時間を要する)ということになります。もちろん、塗料の場合は使用する素材によっても熱伝導率が変わります。
セラミックを主成分とするような断熱塗料の場合は塗膜自体に熱を溜め込まない性質があるので、熱の移動が起こりづらいことから低い熱伝導率を実現させることができます。
日射反射率
日射反射率とは太陽光に含まれる近赤外領域の光を反射する数値を表したものです。反射により塗膜ならびに被塗物の温度上昇を抑えることができる塗料のことを遮熱塗料と呼びます。
また、日射反射率は塗膜の明度(色の明るさを表す度合い)に大きく影響を受けます。
明度が高いほど白っぽい色となり、それに比例して日射反射率は高くなる傾向が見られます。反対に明度の低い黒色に近い色については塗料の持つ遮熱効果を十分に得られない可能性があります。
色相による熱吸収率の比較
前述の通り、色の明度により日射反射率が異なるのですが、色相によっても塗膜が吸収する熱量には差があります。断熱塗料、遮熱塗料をご検討の際は、断熱効果・遮熱効果を効率良く得られるプラン作成のために右のグラフをご参考にしてみてください。
一言に断熱・遮熱塗料と言っても、その効果は様々な要因が結びつき発揮されるものということがわかりました。
単に金額が高いから性能が高いわけではなく、リフォーム後の断熱・遮熱性能を十分に発揮させるには、知識経験豊富な業者選びにかかっているとも言えます。
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