ph・含水率について
小学校の理科の実験でリトマス紙を使った授業を懐かしく思い出される方もいらっしゃることでしょう。
今回は「ph値」「含水率」が外壁の下地に与える影響についてまとめてみました。
ph値とは…
以前は、歴史的背景からph(ペーハー)とドイツ語由来の読み方をしていましたが、現在は「ピーエッチ」と読むことが計量単位規則により義務付けられています。
phと聞くと、小学校の理科の授業でリトマス紙を使って液体の酸性、アルカリ性を調べる実験を懐かしく思い出される方もいらっしゃることでしょう。
ph値は、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)の濃度の関係性を表す数値のことです。水素イオンと水酸化物イオンの濃度は0~14までの数値で表され、純水は中間値のph7(中性)となります。酸は水に溶けて水素イオン(H+)を放出する物質で、アルカリは水酸化物イオン(OH-)を放出する物質です。
したがって、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)のどちらか一方が増えれば、もう一方が減る関係性に従いph値は計算されます。
外壁材に求められるバランス
その要因の一つに環境問題の一つとして知られている酸性雨(pH値5.6以下)が挙げられます。
酸性雨で外壁が日常的に濡れると、外壁が保っていたアルカリ性のバランスが崩れてしまいます。
中性化が進むと、結果として藻やカビが繁殖しやすい状態を作り出し、外壁の劣化症状が進行するようになるのです。(藻とカビの発生メカニズムについては次項にて)
セメント系基材×アルカリ成分×含水率
ですから、セメント系基材の外壁を塗装する時には耐水、耐アルカリ性があり、浸透力を持つシーラー(下塗り塗料)を使用します。なお、セメント系基材と塗料をきちんと付着させるためには必ず水分が必要となります。しかし、水分が多すぎると、かえって付着力の低下を招き、はがれや膨れを発生させることにつながります。塗装前には必ず含水率のチェックを行い、10%未満のレベルであることを確認しておきましょう。
外壁成分の中性化と高含水率が生み出す藻・カビの発生環境
住宅に繁殖するカビや藻の好む温度は25~30℃と言われており、湿度が80%を超えると繁殖力が増す傾向が見られます。まずは、空気中の藻の胞子を壁に定着させないようにするために外壁の中性化を抑制し、適切なメンテナンスで外壁の寿命を延ばしましょう。
藻とカビの発生メカニズム
外壁の防水性低下により含水率が高まると、劣化した外壁に藻やカビが付着しやすくなります。
塗膜に含まれる有機成分や藻の死骸を栄養分としカビが発生した場合は、外壁塗装リフォーム前に必ず高圧洗浄で洗い落とすことが必要ですが、カビや藻の生育環境、外壁に隣接する植栽や周辺に置いてある物、風通しなどで変化しますので藻・カビによる外壁の汚れは避けられない劣化と言えるでしょう。
含水率が増える原因と対策
外壁材にはコンクリート材、窯業系サイディングなど様々ありますが、基本的には石膏とセメントを水で混ぜ合わせて固めてあるため、ある程度の水分が必要です。
一般的に外壁材の含水率は8〜10%が適正と言われ、少なすぎると割れ(ヒビ)、多すぎるとボロボロになる原因となります。
含水率が増える原因には、主に次の2つのことが挙げられます。
1. 塗膜が劣化して防水性能が低下し、外壁材から水分を含んでしまう
【対策】表面劣化が原因として考えられるので、塗装をして防水性能を復活させる。
2. 窯業系サイディングなどで通気工法を採用せずに直張りし、建物内部の結露が原因となって含水率が増える
【対策】現在は通気工法が標準施工だが、現地調査で直張りが発覚することもある。
これは既存外壁の施工に問題があると言えるので通気工法を採用して張り替えるか外壁カバー工法を施工する。
※通気工法とは…透湿防水シートで覆った壁と外壁材との間に通気層を作り、透湿防水シートから壁内に溜まった水分を外部に放出する方法です。通気性を確保することで、壁内に水分が溜まらず、外壁の劣化を防ぐことができます。
お急ぎの方は
お電話の方が
スムーズです!
定休日火曜・水曜
ご相談・お見積もり無料! お気軽にどうぞ
050-7302-2126